Mr.Childrenの新曲「記憶の旅人」。
映画「青春18×2君へと続く道」の主題歌で、とても切なくて苦しい、でもどこか前向きになれるバラードです。
歌詞の意味の考察と、歌詞の考察から、どのように歌えば感情をこめて歌えるのか？
歌い方の解説もしていきます。
ミスチル「記憶の旅人」歌詞の考察ポイント
ミスチル記憶の旅人は、映画「青春18×2君へと続く道」の主題歌で、この映画のために書き下ろされた作品です。
ですので、歌詞には映画の主人公の気持ちや情景が、いろんなところに散りばめられています。
「記憶の旅人」の考察ポイントは、記憶の中の君との対話・自分の中の葛藤と後悔です。
主人公の男性は、18年前、18歳の時に出会った4歳上の女性のことを想い続けています。
離れてしまった後悔やさまざまな葛藤があり、記憶の旅を続けているのです。
「ここの映画に関わる上で
不純なものは極力取り除いて音楽として抽出したつもりです。
それだけが私たちに出来ることでした。」
と櫻井さんは言っています。
そう言っている意味がわかる、とても純粋でストレートな歌詞で、節々から切なさが込み上げてくる歌です。
記憶の旅人の歌詞の意味を考察
記憶の旅人1番の歌詞の意味
1番Aメロ
僕はここにいるよ
君のいた場所に
いつか観た映画みたい
冬を浴びて君は何してるの？
きっと笑っているね
気付かずにいる僕に
どんな気持ち抱え暮らしてたの？
まず演奏なんですが、イントロの壮大で切ないメロディからAメロに入る瞬間、情景が一転するように演奏が静かになります。
まるで、「記憶の中の君」との対話の始まりを告げるようです。
君のいた場所にきて、昔一緒に見た映画を思い出し、語りかけています。
記憶の中の君はいつも笑顔です。
でも、何かを隠していて、それを気づかずにいた過去の僕。
そんな僕に対して、どんな気持ちを持って暮らしてたのか、答えの出ない疑問が巡ります。
1番サビ
時間の流れを止めて生きてきたような
淡い想いを眩しい恋を
ずっと手放せずに抱きしめ続けて
どうしてあの時伝えなかったの？
柔らかな後悔が今日も僕に寄り添ってる
サビに入る時も、Aメロとは違う場面に来たと思うほど、曲調が変わります。
（その理由と考察は次の章に書いています）
主人公は、18年前、18歳の時に出会った年上の君に恋心を抱いたまま離れてしまいます。
淡く眩しい恋心を、ずっと18年持ち続けています。
そして、あの時なぜ伝えなかったのかという後悔を今も持ったまま…
余談ですが。
柔らかな後悔という言葉、良いですよね。
誰しも、青春時代の忘れられない人というのはいるのではないでしょうか？
櫻井さんもきっと、映画の主人公を思ってだけではなく、自分自身も記憶の旅をして、柔らかな後悔という優しいフレーズが出てきたのかなと思います。
記憶の旅人2番の歌詞の意味
2番Aメロ
想い出はいつも
綺麗過ぎていて
優しくて苦しくて
油断してると夢の中に生きてる
また、記憶の中の君との時間を思い出しています。
想い出はいつも綺麗で、油断してると現実ではなく、記憶の中（夢の中）のことばかり考えてしまいます。
（このままではダメだという想いがはらんでる気がします）
2番サビ
これ以上足踏みしてちゃダメなことぐらい
わかっているって それでもずっと
君の事だけは嘘つけずにいる
いつまで不毛な夢を見ているの？
暗闇に浮かぶ光のような想いを追って
過去のことばかり考え、君のことを想い後悔し続け、足踏みしててもダメだと分かっている。
分かっているけど、自分の心に嘘がつけない。
「わかってるって」「不毛な夢を見ているの？」
このように2番サビでは自問自答を繰り返しています。
18年続いた後悔、前に進まないとという思い。
暗闇に浮かぶ光のような想いを追って…これは、行動を起こそうとしているフレーズでしょう。
主人公は旅に出ることを決めます。
Cメロ
風を切り走る列車の窓から外を見てる
その景色の中に見つけたんだ
君が僕に残した希望のサイン
主人公は、「君」を求めて旅をします。
列車の窓から外を見ていると、現れた景色。
その景色の中に、君が残してくれた希望のサインを見つけます。
そう、ここの歌詞では長年自問自答、後悔、葛藤していた日々から一変！
やっと行動に出た主人公に、希望の光がさす場面なのです。
最後のサビ
さよなら僕らの果たせずいる約束
君の想いを切ない願いを
ずっと手放さずに抱きしめて生きようどうしてあの時行かせてしまったの？
柔らかな後悔が今日も僕に寄り添ってる
暗闇に浮かぶ光のような想いを追って
長年悶々としていた思いに終止符を打ち、行動（旅）に出た主人公。
しかし、やはり柔らかな後悔はまだ拭い切れていません。
なんだ、結局堂々巡りか…と思わせる内容ですが、最後の「暗闇に浮かぶ光のような想いを追って
」という歌詞からは、後悔はしているけれど、その想いを胸に抱きしめたまま、前に進んでいこうという覚悟が感じられます。
記憶の旅人 歌詞考察した上での歌い方
歌詞を考察した上で、この歌はどんな風にして歌うと感情が込められるのか？
そのあたりも考察しました。
Aメロとサビで歌い方を変える
まず気になったのが、Aメロとサビとで、情景が一変するような演奏について。
（イントロからAメロも情景が一変します）
そもそもこの歌、Bメロがありません。
Bメロがなくサビに入ることで、それまでの曲の繋がりが感じられず、サビに入る時に場面がガラッと変わるように感じます。
なぜそうしたのか？
歌詞をじっくり読むとわかったんですが、Aメロとサビとで心の中で対話している相手が違うんです。
- Aメロは、記憶の中の君との対話
- サビは、自分の思いや自問自答・後悔
メリハリをつけるために、Aメロとサビとで場面が変わるような演奏をしていると思いました。
- Aメロでは記憶の君に語りかけるように歌う
- サビでは自分の切なさを吐露するように歌う
このように歌い分けることで、情景が変わってメリハリが出るので良いと思います。
補足、Cメロも歌い方を変えた方がいい〜
Cメロの「風を切り走る列車の窓から外を見てる〜」は、起承転結でいうところの「転」の部分。
希望がさす瞬間なので、今までの切ない感じではなく、少し明るめに歌うと良いでしょう。
あえて裏声を使って切なさを表現
櫻井さんはサビのこの部分↓
「淡い想いを眩しい恋を」
「わかっているって それでもずっと」
を儚ーーい裏声で歌っています。
それが、差し迫るような切なさを感じさせます。
櫻井さんなら裏声じゃなく地声（ミックスボイス）で出せそうなキーですが、あえて裏声を使うことで切ない苦しい思いを表現している気がします。
ミスチル【記憶の旅人】歌詞の意味考察まとめ
とても切なくて苦しい歌詞ですが、ずっと堂々巡りをして切ないまま終わる訳ではなく、最後には希望の光がさして前に進んでいく、そんな歌でした。
歌詞を読んでると、誰しも経験したことのあるような、苦しいもどかしい思いや、忘れたくても忘れられない記憶など、共感するところが多々あると思います。
ピアノやストリングスの演奏も綺麗で、ずっと聞いていたくなる素敵な歌でした。
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