風邪は治ったのに、なぜか声だけが戻らない。
耳鼻科で声帯に異常ないと言われたのに、全然前みたいに歌えなくなってしまったー!
ずっと大事にしてきた「歌うこと」ができなくなった私。
不安と焦りの中で声の専門病院・ボイスクリニックを受診しました。
この記事では、歌えなくなった経緯から、ボイスクリニックでの診察内容、そして私が指摘された「問題」について正直に綴ります。

私はバンドでボーカルをしたり、普段はライブ配信でモノマネを披露したりしています。プロの歌手ではないけれど、歌を本格的にやっていきたい人です。
歌が歌えなくなった経緯
今年に入ってから、2回風邪をひきました。
どちらも喉の風邪で1回目は完全に声が出なくなり、ひどい咳が1ヶ月以上続き、2回目も咳が続きました。
2回目の風邪のあと、治ってからも以前のように歌えなくなっていました。
1回目の風邪は今年1月。完全に声が出なくなり1ヶ月以上、ひどい咳が続きました。
3月にはライブがあったため、それに向けて練習していましたが、本番で以前出ていたキーがどうしても出ませんでした。
5月初め、ようやく元通りに回復したころに、2回目の風邪をひきました。
今回は声が出なくなるほどではなかったけど、2週間ほど咳が続いたので声がガラガラに。

なんのウイルスかは検査してないのでわかりません
5月末に耳鼻科を受診したところ、先生からは以下のように言われました。

声帯には異常なし。ただし痰が絡んでいるので、それを改善すれば良くなる。
と言われ、薬を処方されました。そのときも「歌っても問題ないですよ」とのことでした。
6月初めには少しずつ回復してきたものの、日によって声の出方が良かったり悪かったり。
6月半ば、カラオケに行ったときのことです。いつも歌っていた曲が、まったく歌えませんでした、、、
Aメロの低音は歌えましたが、Bメロからサビにかけてキーが上がると、声が掠れてしまい出ない…。サビは裏声とも言えないような、かすれた弱い声しか出ませんでした。
そのときのショックが大きくて、それ以降はさらに歌えなくなってしまいました。
具体的にどんな風に歌えないかというと
- 高音が出にくい
- 低音から高音に切り替える部分が掠れる
- 張り上げるような力強い声が掠れる
圧倒的に声のコントロールができなくなってしまいました。
また話すだけでも声が詰まりやすく、痰が絡んで思うように喋れない。
なぜか、朝起きた直後だけは以前と同じ歌声で歌えるのに、時間が経つと喉が詰まってきます。
喋るのも、歌うのもつらい。

「歌は自分の一番の強み」と思っていたので、歌えないことが自分を失ったようですごく辛かった…
ボイトレの先生に喉の状態を相談すると
以前から習っていたボイトレの先生に相談したところ、こんなアドバイスをいただきました。
「街の耳鼻科では、声の専門的なことまでは診てもらえません。
考えられる原因は2つ。
ひとつは、まだ風邪の影響が残っていて、声帯に炎症がある可能性。
もうひとつは、風邪のときに無理して練習した結果、間違った発声を体が覚えてしまっている可能性です。
多くの場合、後者だと思いますが、もし声帯自体が悪い場合は、無理に練習するのは避けた方がいい。
まずは声の専門病院で、声帯の状態を確認してから、リハビリとしてボイトレを再開しましょう。」
そう言われて、思い切って声の専門病院、いわゆるボイスクリニックを受診することにしました。
声専門の病院・ボイスクリニックへ行く
関西のとあるボイスクリニックへ行きました。

病院名書いても良いと思うんですが、病院側に確認せず体験レポみたいなの書いてるので、一旦名前伏せときます。
問診から普通の耳鼻科となんか違う
まず、問診の量がとても多いのが印象的でした。
一般的な問診と、声に関する質問チェックシートが2枚ありました。
一つ一つの質問に対して0〜4段階で状態を記入していきます。
このような質問が歌の問診・話し声の問診、合わせて60問ほどありました。
自分が困ってたけれど言語化できてない、または困ってたけれど気づいてないことも細かく書かれていています。

誰も分かってくれなかったことだけど、やっぱ専門の病院だと分かってもらえるんだと泣きそうになりました。
診察
どんな風に声が出づらいのかなど詳しく先生に話しました。
病院の先生って問診をほぼ読んでない人が多いけれど、ここの先生は問診を読んでくれてるのか、こちらから説明する前に「〇〇なんですか?」など聞いてくれて、すごく丁寧で良い先生だと感じました。
そして恐ろしい内視鏡がやってきました。
喉の内視鏡は何度か経験ありますが、痛いけれど一瞬ならなんとかなるって感じでしたが、
これが結構大変でした。
私は鼻の奥が狭くて通りにくいから痛くて、さっさと突っ込んで欲しいのに「ここが炎症起きてますねー」とじっくり鼻の奥を見られる。痛いぞ…
喉までやっと内視鏡が届いたけれど、咳が出そうというかえづきそう。窒息しそう。
この世の終わりみたいな顔をしていたと思います。
普通の耳鼻科なら声帯を見て終わり…のはずが、そこからカメラ突っ込んだまま色々と言わされる。

『いー』と言ってください。ではそのまま高い声で『いー』。次は〇〇と言ってください
と色々めっちゃ言わされます。
最終的に、謎の文章まで読まされて、(200文字くらい?)その後内視鏡が抜かれました。
半泣きぐったりです。
先生から指摘されたこと
「気になる所見は次のところです」と問題点を指摘されました。
- 声帯のむくみ
- 声帯に痰が絡んでる
- 上咽頭炎(鼻の奥の炎症)
ということでした。
これらが原因で歌いづらかったり、喉が詰まった感じがするのではないかと。
では、それぞれの対処法について…。
- 声帯のむくみ
声帯のむくみは歌う人だとまぁこの程度はあるとのこと。
そんなにひどい状況じゃないからボイトレをしてOKと言われました。

一般的な耳鼻科だと、このくらいのむくみだと何も指摘されない。でもこのむくみも歌いにくさの原因になってるかもしれないですね。
2. 声帯に痰が絡んでいる
声帯に痰が絡んでるのは、脱水してる証拠でした。
とにかく水をたくさん飲むよう言われました。
先生いわく、

色々喉に良いものありますが、結局水を飲むのが一番喉に良いんじゃないかと言われてます。
私は元々水を飲むのが苦手で、最近頑張ってやっと1日1リットル飲めるようになったところでしたが、1日2リットルは必要と言われてしまいました笑
3. 上咽頭炎(鼻の奥の炎症)
上咽頭炎にはBスポット療法という治療をされました。
鼻の奥にグルグリと薬を塗られて、喉側からもなんか塗られて、めっちゃしみて痛い、血が出ました。
が、その治療後、鼻の通りが異常に良くなり、めちゃくちゃ爽快!
鼻ってこんなに息吸えるんや〜と。
鼻の奥が狭いことは地元の耳鼻科でもいつも指摘されてたけれど、上咽頭炎という炎症だったとは…。
因みに、上咽頭炎が様々な体調不良などの大元の原因になってることもあるそうです。病院に置いてあった本が分かりやすかったです。
単純に私が気にしすぎで歌えてないところもあったと思うけれど、機能的な面でも歌いづらい要因はあったのだとわかりました。
そして、それは街の耳鼻科ではスルーされるようなことだと。
言語聴覚士による発声指導
先生の診察と治療が済んだ後は、言語聴覚士の方が発声指導をしてくれました。
まずは、今の声の状態を録音します。さらに今出る音域もはかってもらいます。
音域に関しては以前と変わらず出てたので良かった…。
息を吐き出せる長さ(時間)もはかったのですが、あまり長く続けられず、そこは指摘されました。

長引く咳などで、前ほどしっかり息を吐けなくなって、歌いづらくなってるのかもしれないですね。例えば、ホースから水を出すとして、水量が息の量だとします。遠くまで飛ばしたいのに、水量が少なかったらホースの先を握りますよね?息が少ないとこんな風にして声帯に負担をかけるんです。
と説明されました。なんと分かりやすい。声が詰まってくる原因は息の量だったのかも。
続いて、発声の基礎トレーニングを教えてもらいました。
ストローを使って声を出すトレーニングです。
よく水の入ったペットボトルをぶくぶくすると喉に負担をかけずボイトレができると言いますが、水がなくてもストローだけでも基礎練習はできるのだとか。
水があった方が抵抗があってより良いと。
ストロートレーニングが声を出す基礎のトレーニングなので、生活のあらゆる場面でやるようにしてくださいと。言われました。

ストロートレーニングは文章で説明しづらいので割愛します。
また、お水を沢山のむことがとても大事だと。
私は今やっと1日1リットル飲めるようになったところでしたが、このように言われました。

今は夏場なので、2リットルか2.5リットルほど飲む方が良いです。歌う直前に飲んでも意味がありません。スルメイカに水をかけてもすぐにはふっくらしないですよね?
なるほど、分かりやすい。
なんと1時間も指導してくれたのですが、その間も「はい、お水飲みましょうか」と促してくれる。
喉を治したくて行ったら、水飲み指導までされるとは笑
でも、それくらい歌う人は水分をしっかり取らないといけないんだと痛感しました。
歌えなくなった私がボイスクリニックで診てもらって分かったこと
通常の耳鼻科では分からなかった歌えなくなった原因、、少し見えた気がします。
- 声帯のむくみ
- 声帯に痰が絡んで
- 上咽頭炎(鼻の奥の炎症)
- 息を吐く量が減ったかも
そして、それぞれ原因に対する対処法も教えてもらえました。
声帯のむくみなど気になるところはあれど、ボイトレ始めても良いと言われ、すごく気楽になりました。
だからなのか翌日からめちゃくちゃ声が良く出るように。(単純なやつ)
声が出ないと悶々と悩み、落ち込んでいたけれど行ってみて良かった。
もし今、同じように「声が出にくい」「歌えなくなった」と悩んでいる人がいたら、
ひとりで抱え込まずに、専門の病院に頼ることも選択肢のひとつだと伝えたいです。
声は見えないけれど、とても繊細で大切なもの。
だからこそ、大事にしながら、少しずつ自分のペースで回復していけたらいいなと思います。

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