ドラえもんの声が大山のぶ代さんから変わってもう20年近く経ちますが、それでもいまだにドラえもんのモノマネといえば大山のぶ代さんの声を真似する人が多いですよね。
それくらい、ドラえもん=大山のぶ代さんのイメージが強いです。
私は大山のぶ代ドラえもん世代で、ドラえもんと共に育ちドラえもんの映画もDVDも全て持っているドラえもんマニアです。
なので、ドラえもんの声優陣が一斉交代になるとの発表を聞いた時は本当に悲しくて、怒りが込み上げてきたほどでした。
大山のぶ代さんが9月29日に亡くなられ、関連で様々なニュースが出る中、「ドラえもんの声を交代することになった理由は、大山のぶ代さんが病気を患ったから」という内容が出回っているのに驚きました。
いやいや、そんな綺麗な話じゃないでしょう。
大山のぶ代さんら、旧ドラえもんの声優が一斉交代になった本当の理由について、一連の流れを解説します。
大山のぶ代さんら旧ドラえもん声優が一斉交代になった本当の理由
大山のぶ代さんは、ドラえもんアニメ放送が始まった1979年から2005年まで26年、4半世紀以上ドラえもんの声優を勤めました。
大山のぶ代さんがお亡くなりになり、ニュース記事などでは、「ドラえもんの声優を卒業した理由は直腸ガンを患い、退院後復帰したもののやめることとなった」
と書かれており、大山のぶ代さん発信でドラえもんを降板したような書き方でした。
ですが、旧声優陣が交代すると発表された2004年ごろに報道されていた内容は違うものでした。
ドラえもんの声優陣が交代した本当の理由
交代になった理由は、番組制作側のテレビ朝日とシンエイ動画側が、ドラえもんの声優陣に対して交代の打診をしたからです。
- 声優陣の平均年齢が70歳と高齢になってきたこと
- 25年の節目に声優陣もアニメ制作陣もほぼ全て変えてリニューアルしたい
みたいな理由から、声優陣は一斉に交代することに。
しかし、他の長寿アニメはこんなことしてないので、本当の、真の目的はまだハッキリしていないのが事実なのです…
週刊誌には、ドラえもん声優陣が一斉に変わることが取り上げられていて、そこには
「声優陣みんなで、『腰が曲がっても杖をついて一緒にやろうね』と言ってたところだったんです」
と、のび太くんかスネ夫か忘れたけれど、主要な声優さんがコメントしていて、突然の交代の打診に驚いてる様子が伝わってきました。
交代の打診は高級料亭で行われたそう
関西テレビの番組「ナンボDEなんぼ」に大山のぶ代さんと、スネ夫役の肝付兼太さんが出演された時の内容を記した記事を発見しました。
番組中、なぜ声優陣が交代になったか、司会の円広志さんと芸人の黒田さんが色々と聞いています。
「卒業の宣言は、高級料亭に集められて…」
肝付さん:
「全部ね、チェンジしたんですよ。プロデューサーから、全員…」円広志さん:
「急に死なれたら、困るから?」大山さん:
「でもね、それはあったと思います。そういう気持ちはあったと思います」
「ちょうどみんなで卒業っていうのが決まる前に、新聞に『ドラえもんに出演してる声優さんの平均年齢、70歳』って出たんですよ。ウソ~って、みんなで言ったの。ところが、すぐ計算してみたら、あらホントだわ、ってことになって…」
「で、そろそろ後輩に道譲らなくちゃ、なんて言ってたけども、全然そんな気がなくて、楽しくやってたら、赤坂の、すごい政治家しか行かないような、ものすごい高級料亭。私だって初めて行ったし…」黒田さん:
「そこで言われたんですか…」肝付さん:
「いえ、言われないんです。ただご馳走になって、『え~、え~(もじもじ)』で、結局言われなかったよね」
「で、ぼくらも、相手が言えないような、ご面相でじっと見てました」
無言の圧力ってやつですね。
そこで、大山のぶ代さんは勘づいて、「そろそろこの辺で」と声優を退くようなことを言ったそう。
でも、ジャイアン役のたてかべ和也さんは「ぼくはやりたい」と声優を続けたい意志を伝えてます。
大山さん:
「だからね、そろそろね、この辺で、とか言ったんで…」黒田さん:
「何となく気づいてはったんですか?」大山さん:
「うん、何となくね、こちらがなんか言わないと悪いかなと思って。長いですね、もうそろそろ、4分の1世紀。25周年が過ぎた次の年だったんですよ。だからもう、いいんじゃないかしらね~、なんて言ったら、ひとりジャイアンが、『ぼくは、やりたいです』って…」
本当の理由は、声優陣から降板すると言ったのではなく、番組制作側からです。
なのになぜか大山のぶ代さんがドラえもんの声優を交代した理由は、大山のぶ代さんの病気がきっかけで、みたいにざっくり書かれてるのがあり得ない…。
アニメの声優を一斉交代などあり得ない
サザエさんやちびまる子ちゃん、クレヨンしんちゃんなど長寿アニメでも声優陣を一気に入れ替えるなんてことは今までありません。
サザエさんなんて、ドラえもんよりも長寿アニメです。
声優さんは高齢により亡くなっていますが、前の声優さんに似た声優さんに引き継いでいってますよね。
前とちょっと違うけれど、一気には変わってないから自然とアニメが見えるのです。
ドラえもんの声優交代について制作側は、「親子3世代で語り継げる番組に」などと聞こえの良い理由を並べてましたが、声優陣一斉入れ替えなどアニメファンに対する裏切りも裏切りです。
自分の好きなアニメの声優が一気に入れ替わるなんて、信じられますか?
それはもはや、元のアニメとは違う別のものです。
ドラえもんではなく、うまい棒と言ってほしいくらい違います。
しかも、ドラえもんは他の長寿アニメに比べても特にドラえもんの声の特徴が強い。
ドラえもん=大山のぶ代なのです。
だから、リニューアルして19年も経ちますが、いまだにドラえもんのものまねは大山のぶ代さんの声で皆するのです。
「家事えもん」などドラえもんをパロディした番組でも、今のドラえもんの効果音ではなく、昔のドラえもんの効果音を使うのです。
これは、今のドラえもんの声の水沢わさびさんにとっても失礼なことです。
声優陣一斉交代など恐ろしくナンセンスなことをやってのけた結果です。
大山のぶ代さんは原作者の藤子・F・不二雄先生が「ドラえもんはこんな声だったんですね」と認めた声なのです。
藤子・F・不二雄先生が生きていたらこんな判断許していたのだろうか…?
大山のぶ代さんがドラえもんを卒業しようとしていたことは事実
ドラえもんの声優が一斉交代になったのは、テレビ朝日とシンエイ動画側がアニメを一新したいと声優陣に卒業の打診をしたからです。
しかし、その数年前から大山のぶ代さんは少しずつ、ドラえもんを辞めようか悩んでいたことは事実です。
2001年に直腸がんを患い、入院・手術をした大山さん。
そんな中でもアニメ放送に穴を開けないようにと、他の声優陣とは別のスケジュールで病院を抜け出してスタジオで録音していたそうです。
そんなこんなで入院中もなんとか切り抜けたけれど、退院後に大山さんは「ドラえもんを辞めた方が良いのかな」と夫の砂川さんに言ったそうです。
そう言った理由は責任感から。国民的アニメであるドラえもんを自分の都合で穴を開けられないと思ったからです。
入院中も「辞める」ようなことは言っていたそうで、その時は番組関係者のトップの方々が「辞めないで」と説得していたんだとか。
なので、なんとか踏ん張って病気後も復帰したけれど、やはり大山のぶ代さんには「そろそろ」という思いはあったのでしょう。
2004年に番組側から打診があった時、打診というかそういう空気を高級料亭で醸し出された時に、「そろそろこの辺で」と退くようなことを伝えたのでしょう。
大山のぶ代さんにとっては、ドラえもんは我が子のような存在です。
だからこそ、番組に穴を開けてはいけないし、意志を継いでくれる人に引き継ぎたいという思いはあったんです。
大山のぶ代さんの夫、砂川啓介さんの「娘になった妻、のぶ代へ」より。
なので、大山のぶ代さんとしては様々な葛藤の中、考えに考え抜いて納得してドラえもんを卒業したと思います。
それを知れただけでも、ドラえもんファンとしてはちょっと救われた気持ちです。
他の声優陣はそうではなかったかもしれませんが。
大山のぶ代ドラえもんの声が交代になった本当の理由:まとめ
大山のぶ代さんや、旧ドラえもんの声優陣が一斉に交代になった本当の理由について解説しました。
大山のぶ代さんが、「病気をきっかけにドラえもんの声優を卒業することにした」など様々な記事に書かれていますが、それは違います。
実際に大山さんは病気を機に辞めようか悩んだのは事実ですが、直接辞めることになったのは番組制作側がドラえもんを一新したいからと、旧声優陣にやめるよう打診したからです。
前代未聞のスーパーナンセンスな判断です。
声優というのは、アニメのキャラクターに命を吹き込む仕事だと思います。
アニメは映像より声の方が重要で、声が8割だと私は思います。
だから、いくら声優さんが高齢になったからといって、声優陣を一斉に変えるなどあり得ない。
これからもやめて欲しいです。
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